結論から言うと、ラストオブアス2は……
迷いなく良ゲーでした。
うん、これを駄作と評価する人は少ないんじゃないか?
と言うよりも、プレイする前から良ゲーだってことは分かりきってたしね。
豊作を予定している2020年の顔となるゲームであることは間違いない!!
というワケで!今回は良い点・悪い点も含め、かなりしっかりめにレビューを書いていきたいと思います!
前半はゲーム部分、後半はストーリー面についての感想や考察を書いていくので、お好きなところからどうぞ~
ラストオブアス2ってどんなゲーム?
おっさんが少女(エレン・ペイジ似)を守りながら、感染者や不届き者たちと戦っていくゲーム……
だったのですが、2では主人公が交代!
感染者+ヤバい奴ら+もっとヤバい奴らを相手に、とあるキャラクターを殺しに行くストーリーです!
ゾンビっぽいものが出てくるため、ホラーも多め。正直、感染者たちとの闘いは辛いですw
そして弾薬や回復アイテムなどは少なめに設定されています。
極限状態でサバイバルして、さらに敵からも身を守る……。
そんな緊張感ありまくりな半ステルス&サバイバルゲームです!!
クリア時間は?
約20時間でした
私は今回ノーマルでプレイして、ほとんど詰まらずに完走できました。そのため3分の1くらいはムービーシーンだったと思います。
週末で頑張れば終わらせることもできるはず。物資集めのために丁寧に探索していたんで、もっと早い方は15時間程度でクリア可能かも。
日本版の規制は?
主に四肢欠損の描写などが規制されているようです。
『アンティルドーン』のように暗転するシーンがないんで、ゲームプレイに支障はないかと。
他にもヌード描写が規制される的は話がありましたが、ムービーでも特に不自然な部分は感じられず。
ただ、やはり完全版ともいえる海外版でプレイした方が、制作者の意図した通りの感想を持てるかも。
規制があったとしても、他のゲームに比べてかなりゴア表現頑張ってる感じはしますよね。
恐さはどんな感じ?
プレイできないってことはないですが、普通に恐いと思いますw
結構ホラー映画に慣れている私でも、やっぱりホラーゲームって映画以上に恐いんですよね~
細い隙間を通らされる場面が多くあるのですが、10回に1回くらい驚かされます。
緊張感を保つって面では重要なビビリポイントだけど、ニガテな人は音を小さくしてプレイするとか工夫した方が良いかも。
ゲーム面での感想
過激さはどこに繋がるのか
本作は「18歳以上対象」となっているように、ゴア表現に力を入れている作品です。
エリーを動かして、背後から近づいて、ナイフでグサッ!!
そうすると血がぶっしゃぁーするんで、敵をステルスキルする度に、そこそこグロい演出を見るようになります。

その他にも、
・オノやナタが敵の身体にめり込む
・敵の放った矢がエリーの身体に突き刺さる
などなど、制作チームの頑張りを感じられる演出がチラホラ……。
個人的にはグロいのが得意なわけではないのですが、この過激すぎる演出はしっかりと意味を持ったものでして。
プレイヤーに恐怖心や緊張感を植え付けて、コントローラーを握っているだけなのに、エリーと同じ状況にいるような錯覚に陥らせる巧みな演出なのです。
何をされても体力ゲージが減るだけで、ビジュアルに何の変化もない主人公よりも、痛々しいまでにやられていく主人公の方が感情移入出来るじゃないですか。
もちろんゲームにもよるし、マリオやゼルダでこんな演出されたらドン引き以外の何物でもないんですけどw

精神的な怖さ
「気を付けて、胞子が飛んでる……」
と誰かが発言すれば、そこからは恐怖の世界。ランナーたちの叫び声や、クリッカーの良く分からない音が響き渡り、緊張感はMAXに。
しかも狭い隙間を通り抜けると、突然現れたりしますからね。常にドキドキしていなきゃいけないわけです。
他にもゾンビゲーは『デイズゴーン』とか『ダイイングライト』などがありましたが、どれもオープンワールドだったんですね。
その点本作は恐怖を感じられるよう、考え抜かれた配置でプレイヤーを驚かしてきます。
それはまるで良質なお化け屋敷のよう!
しかも感染者を後ろからステルスしたり、脳筋プレーで撲殺してみたり、ゲームのインタラクティブ性を限界まで利用した作品でした。
物資の調節が神がかってる
半オープンワールドになっていて、探索も面白いゲームなのですが、やっぱり弾薬も物資も限られています。
私は丁寧に探索していたんで困窮するって場面はありませんでしたが、ある程度は戦い方を考える必要がありました。
物資がそこら中にあると『アンチャーテッド』みたいな脳筋プレーができちゃうし、逆に少なすぎると先に進めなくなってしまいます。
この物資の調整がスゲェぴったしなんだよね。江戸時代じゃないけど「生かさず、殺さず」が徹底されてて、絶妙なストレスを与えてくれるっていうw
他にもエリーが集めているカードゲームがあったり、世界観を構築する文書があったりと、細かいところまで制作者のこだわりが効いていました。
ゲームのパターンが大体同じ
最後にめちゃくちゃデカい残念な点なのですが、ゲーム全体を通してワンパターンが過ぎる。
ストーリーは面白いし、海外ドラマのように先が気になるんだけど、ゲーム部分が次第に飽きてきてストーリーを阻害するものに感じてしまった。
大抵は探索パートと戦闘パートが交互にやってきて、遠くに見える建物を目指して少しずつ進んでいくってパターンです。
探索する時はゲートに鍵がかかっていたり、扉が開かなかったりして迂回するのがほとんど。
アンチャーテッドでもよくあった「あそこから入れるんじゃないか?」とか、「上でハシゴ降ろしてきてくれ」とか、そんなのばっかで。
最初は嬉々としてプレイしているんだけど、次第に「いつものノーティードッグ感」が出てきてしまって、単純に面白くない。

戦闘パートも感染者にしろ、ウルフやスカーにしろ、ステージが変わるだけのワンパターン祭り。
システム上、ほぼ強制的にステルスを強いられているからテンポも悪いし、何度もやると戦闘は単なる作業!
めんどくさくなってからは、サイレンサーと弓を使いまくって遠くから一掃してましたw
そして驚くのは「敵キャラ一人ひとりに名前が……」とかって宣伝していたのに、敵のデザインの数が少なすぎること。一度の戦闘で下手したら3人以上まったく同じ見た目のキャラクターいますからねw
名前とか正直どうでもいいから、もっとバリエーション増やせよと。せめて服装くらい変えてくれればいいのに。

ストーリー面
※ここからはストーリーの重大なネタバレを含みます!ご注意ください!
エリーの復讐劇
時代設定は前作から5年後。安住の地・ジャクソンで仲間とともに平和な生活を送っている場面から始まります。
実はこの5年間の間にエリーはジョエルが隠していた”重大な秘密”を知ることとなり、ジョエルを許せずにいました。「誓うよ」の一言で終わるという前作の完璧なラストからのコレ。
敢えてぼかした終わり方が最高だったのになぁ~
そう思わずにはいられなかったよね。やっぱり続編は蛇足だったんじゃないか?と頭をよぎりました。
で、その後すぐにウルフのメンバーにジョエルが殺されるという事件が起き、エリーはウルフのいるシアトルへと足を延ばします。
シアトルの地でウルフと戦い、ジョエルの無念を晴らすため、復讐の鬼となったエリーが戦う。そんなストーリーです。

細かい点はもっとあるのですが、やっぱりジョエルが死ぬっていう衝撃だよね。主人公が交代した時点でジョエルが死ぬことはほぼ確定みたいな空気ありましたがw
エリーが生活を捨てて、再び旅立つ動機を考えるとジョエルが死ぬ意外ないわけでありまして。考察では恋人のディーナが殺されるって説もありましたが、今回から登場したキャラが死んでもね。エリーにとっては十分動機になっても、プレイヤーを動かすのは難しいと思う。
ジョエルが死ねば、前作で操作してきた思い入れのあるキャラクターが死ぬわけだし、プレイヤーの復讐心も煽ることができると。
ストーリーの切り出し方は非常に満足のいくものだったのですが、ちょっと気になるのは次の項目。
エリーともう一人
実はエリー以外にもアビーと言うプレイアブルキャラクターがいます。
ゲームの約半分は彼女を操作するので、実質もう一人の主人公って感じですかね。
アビーはウルフのメンバーであり、元ファイアフライ。そう、ジョエルを殺した張本人が”もう一人の主人公”なわけです。
彼女はファイアフライに居た頃、ジョエルに父を殺されています。ジョエル自身はエリーを救うために手を汚したのですが、そんなことアビーには関係ない。
その時の復讐心からジョエル殺害へと至り、エリーにもその復讐心が伝染してしまったのです。

映画だったら「あいつにも事情があった」という風に描けるのですが、問題なのはこれがゲームだということ。
これまでプレイヤーにも復讐心を煽っていたのに、次の瞬間には宿敵アビーを操作させるので、抵抗感がハンパじゃない。
そもそも彼女の父親は研究のためとはいえ、エリーを殺そうとしています。前作でジョエルに感情移入し、エリーを助けることに全力を尽くしたプレイヤーにしてみれば、ファイヤフライは完全に敵です。
彼女の半生を振り返ったとしても、簡単に受け入れられる話じゃないんですよね。私からしてみれば単なる逆恨みにしか思えないし。
これをノーティードッグが狙っていたのかは分かりませんが、とにかく私は声を大にして言いたい。
アビー編はつまらなかった!!
ラストとジョエル
ゲームとしては普通につまらないアビー編でしたが、徐々に前作のジョエルとエリーに重なっていく演出は上手いなぁと思いましたね。
アビーはとある事情で敵であるスカーの姉弟を助けるのですが、弟のレブと関係を深めていきます。二人はウルフとスカーという相容れないチームに属していましたが、そのどちらも敵に回して二人で新たな生活を始めると。
仲間もいなくなった二人はヨットで暮らし始めるのですが、やっぱりエリーとジョエルに見えてくるんですね。
そんな時に忘れられない復讐心を募らせて、エリーがやってくるわけですが、最後の最後でアビーを殺さずに逃がすことになります。
結局復讐を果たさなかったのも、レブを助けるために死に物狂いで頑張るアビーをジョエルと重ねたからかもしれません。
もしくは復讐しにきたアビーが自分のことを2度も見逃してくれたからか。
続編はあるのか?
正直な話、私は前作で終わっていてよかったと思っています。
ゲームもストーリーも面白かったし、神ゲーと呼ばれても全然違和感はない良作ですが、これは『トイ・ストーリー3』に対する『トイ・ストーリー4』みたいな感じなんですよね。
続編として、作品としての出来は素晴らしいけど、別に作らなくてよかった……みたいな?
『トイ・ストーリー4』ネタバレ感想 ごめんウッディ、これは受け入れられない
そんなラストオブアス2でしたが、最後に「続編はあり得るのか?」という考察をして終わりにしたいと思います。
PS5にリマスターされるのはほぼ確定として、純粋な続編3はあるのかって話です。
正直ストーリーにおいては語るべきところは無いように感じました。広げたとしてもノーティが作る以上、良作以上は確定なんだけど、もうお腹いっぱいかなと。
「ラストオブアス3」を作るくらいなら新規IPを作って欲しいし、エリーを休ませてあげてほしい。あるとしてもDLCとかですかね。2のストーリーを補完する的な。
アビーに関しても無事ファイアフライと合流できたのか気になるところですが、アビーはもう動かしたくないかな。
まとめ
ゲーム的にもストーリー的にも気になる部分は多々ありましたが、時間を忘れて熱中したゲームであることに変わりはありません!
今年は「ゴーストオブツシマ」とか「アベンジャーズ」とか、まだまだ本作を超えるポテンシャルを持つゲームが出てきそうではありますが……。
そういえば前評判で「犬が可哀想」的な話を目にしたんだけど、人を殺すゲームなのになぜ犬が話に出るんだと。人よりも犬を攻撃することに抵抗感ある人がいるのか……。
たまに人間よりも動物が大事だとか考える人がいますが、その類でしょう。もしくはよっぽどの愛犬家か。
まぁそんな方々の意見を聞きすぎて、ゲームの表現の幅が減ることがないよう祈っています。
以上!!!